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福田村事件のohのネタバレレビュー・内容・結末

福田村事件(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

磐梯山噴火記念館の館長さんが関東大震災の講話をしてくださった時にお話を伺い、興味をそそられ鑑賞。差別(朝鮮、社会主義、穢多…)、人権、閉鎖的環境……様々な社会問題について考えさせられる話だった。正直前半は、福田村の方言も讃岐の方言も聞き取りにくく、いまいち着いていけなかった。不要な性的シーンもあったように思うし、終盤の虐殺シーンのチープさも悪目立ちしていたかも。だが、それでも後半からの引き込まれ方は凄まじかったな。

「人は自分の住む土地で起きたことしか伝承していくことが出来ない。」

先述した講話の中で館長さんが放った言葉がリフレインした。福田村で虐殺され、利根川に遺棄されたという香川の方とそのご遺族を思うとどうにも遣る瀬ない。彼らにとって遠く離れた地で起きたことは、恐らく当時の情報網では感知することすら容易いことではなかったのだろうと思う。大きく騒ぎ立てたとしても「穢多が殺されたところで…」と益々差別の目が厳しくなることを恐れ、塞ぎ込んだのかもしれない。どちらにせよ、こんなことは二度と起きてはいけない。関東大震災後100年。私達は当時から進歩できているのだろうか。兎角、知ることこそが前進だと信じて様々な知見を得ることから始めねばなるまい。

余談。東出昌大の適役ぶりが笑えた。
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