ふぇり

ロスト・キング 500年越しの運命のふぇりのレビュー・感想・評価

3.8
障害や病気によって正当に評価されずにいるひとりの普通の人が情熱と行動力で歴史を動かす。悪者として描かれているリチャード3世に共感していくフィリッパの心情がとても切実で、彼の幻影と話すシーンはもちろんフィクションではあるけれどフィリッパがリチャードを心の拠り所にして対話していたことが伝わって良かったしちょっと泣いた。そういう話がとても好き。

良いところを持っていってしまう大学にはイライラしたけどこの映画もそうやって正当に評価されていないフィリッパの功績を讃えようとしているんだなと感じた。ただ私はフィリッパとリチャードの繋がりの話のほうが好きだったのでバランス的にはもう少しそちらを観たかったな。ところどころご都合主義的な展開があって実際はこんなに簡単じゃなかっただろうなと思ってしまう部分も。

ある属性の人を悪として描くことの弊害、そしてそれによって傷付いてきた人がたくさんいること。500年経ってわかる事実もあるんだから世の中まだまだ間違って伝わっていることもたくさんあるんだろうな。
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