1970年代に連載され、宝塚歌劇団などで今なお舞台化が相次ぐ名作を劇場アニメ化した作品。ボク自身は原作にほとんど触れてこなかったので、ほぼ初見の状態でしたがダイジェスト感があるとはいえ、10巻ある原作を2時間以内にまとめていてわかりやすかったです
映像面もさることながら、音楽を多用することで「物語の流れ」より「登場人物の感情」を強調しようとする演出は、一定の成果を収めていると感じます。ファンであれば「あそこのシーンがカットされている!」と物足りなく思う部分もあるかもしれませんが、限られた時間に収める上で理解できる選択でした
また、東宝ネクストとしてMAPPAとタッグを組み、往年の名作を現代に甦らせる試みそのものも評価したいですね。おそらく連載当時からのファンと思われるご高齢の方が劇場に足を運ばれていたのも印象的でした。さらに、現代的な自由や女性の活躍を強調する内容になっていたようにも感じます。
ただ、ボクとの相性が今ひとつだったのか、どうしても時代を感じてしまう部分がありました。特に、フランス革命やマリー・アントワネットは再評価が進んでいることもあって「この描き方でよかったのだろうか?」という疑問を覚えたのも事実です。もっとも、そこは『三国志演義』や『司馬史観』のように、あくまで一つの物語として考えるべきなのかもしれませんが……💦