『#ウォレスとグルミット仕返しなんてコワくない』を観ました
アードマン・アニメーションズによるお馴染みのシリーズですが、長編としては約20年ぶりの新作とのこと
本作は米アカデミー賞の長編アニメーション部門にもノミネートされており、映像と物語の両面でその技術の高さが光る作品でした。
今回は子ども向けのドタバタコメディとして楽しめる内容でありながら、テーマとしてはAIなどの進歩的技術がもたらす便利さと、その裏に潜む恐怖を描いています。発明や技術の進歩が人々の生活を便利にする一方で、それが牙を剥いたときの恐怖心は『ターミネーター』などをはじめとした欧米作品が描く「機械への恐怖」の伝統を感じさせます。
そんな恐怖に対抗するのが、ウォレスとグルミットのコンビ。彼らが活躍するのは、粘土で作られたストップモーションアニメーションという、まさに「昔ながら」の手法です。この選択そのものが興味深く、AI などの進歩的な技術に対し、旧来の手法であるストップモーションがどのように向き合うかを問いかける作品にもなっています
映像面では手作り感あふれる暖かみのあるアニメーションが健在で、ストーリーも巧みに作られており、観ていて飽きることのない楽しさが詰まっています。技術の進歩と伝統の手法が融合した、見応えのある一作でした