ゆみモン

全身小説家のゆみモンのネタバレレビュー・内容・結末

全身小説家(1994年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

井上光晴の娘の小説家・井上荒野の『あちらにいる鬼』を以前読んだ。父・光晴と瀬戸内寂聴(晴美)との不倫関係を描いた小説だ。
映画化され、今年公開されると聞き、このドキュメンタリーを鑑賞。

作家というのは、何故モテる人が多いのだろうか? 作品を愛するとその作者まで愛してしまうのか。 
井上光晴の主宰する<文学伝習所>の生徒の女性たちの熱いまなざしや言葉は、“愛”であり“崇拝”でもある。
まるで、明治・大正・昭和初期の作家に憧れた文学少女のようだ。

瀬戸内寂聴は、弔辞の中で自分たちの関係を「“性”を伴わない男女の友情関係」と述べていたが、真実はどうなのだろうか?
弔辞だから、そう言ったのか?
井上光晴自身、自伝の記載にも虚構が混じっていたことを考えると、作家というものの言葉はわからない。