アネモネ

ヒトラーのための虐殺会議のアネモネのレビュー・感想・評価

ヒトラーのための虐殺会議(2022年製作の映画)
4.2
もっと点数を高くしたいけどしたくない!
私にはこの会話劇がとても面白かったです。
どの発言も一言一句聞き逃したくなかったです。
それがこの映画を観る意味だと思ったから。



最初は誰が誰が判別できなかったのに、会議が始まるにつれて誰がどこのどの立場の人かわかってきます。
女性秘書の職場環境を気にかける事ができて、
ゲストへのおもてなしの為の確認も怠らない。
議長のハイドリヒは常に冷静で参加者が感情的になっても上手く聞き取りしたり治める実力があり、どの参加者も意見を言えてディベートできる会議。
戦争の前線に立つ自国民のPTSDだけじゃなく、人道的視点まで議論の対象になっててさ。
議事録もしっかりとる。
国や組織の中枢で仕事をする人ってやっぱりみんな優秀なんだ!!
私もこんな会議に出てこんな優秀な人達と働きたい!!!
どんなに意見が違くても目指す目標は一緒。
そんなやり甲斐のある仕事っていいなー。


私はど田舎の(株)北朝鮮で働いています。
会議さえまともにできず社長からして感情的になって怒鳴ったり、言い返す社員の言い分も小学生レベルのクソ会議しか出てないので、すっかり脳みそが溶け出してレベルがどんどん落ちていき
まるでイニシェリン島のパードリックみたいになってる可能性があります。




それはさておき真面目に書きます。
観ているうちに、だんだんと交わされる言葉の軽さ・恐ろしさが浮き彫りになってくるのが凄い。
ハイドリヒの野望を実現する為の嘘笑顔も。
誰一人「虐殺」を否定する者はいません。
殺すとも言わない。
国の為に忠誠を尽くしているという自信。
まるで害虫やウイルスのようにユダヤ人を捉えて話が進む恐怖。
そしてハイドリヒの最終計画の恐ろしさと野望には誰も気付かず流されていく。
怖い。こわいこわい怖すぎる!
本当に怖くて震えてきて気持ち悪くなって
涙が溢れてきました。
息がうまくできず苦しかった…。
ラスト、できる奴風にお互いの立場を尊重し称えつつ握手で別れるやつら。
絶望感に打ちひしがれながらの無音エンドロールはハネケでお腹いっぱい、耐えられないんで辞めていただきたい。
辛すぎます。



今、こうして私が映画観て幼稚な感想書いてる時も
世界でも日本でも差別は日常に溢れています。
同じ人間だよ!
撃って崖から落とそうとか
ガス室作ろうとか
爆弾落とそうとか
同性愛はおかしいとか
◯◯人とか
意味わかんねーし!

でもさ、こうして映画にする国は日本の100億倍凄いっすよ。
議事録も残さないわ、戦犯を認めないわ
はだしのゲンもやめちゃって
日本恥ずかしすぎ。

鑑賞中、高校の時に見たアウシュヴィッツ展とかサウルの息子とか色んな映画がフラッシュバックしてきて辛かったー。
ハイドリヒを撃てを観て号泣した事も思い出しました。


あーあ、相変わらず
レベルの低い感想しか書けない自分が情けない。
ロバのうんこの話が1番面白いと思う人ばかりの環境に流されないよーに、たくさん映画観たり本読んだりしなきゃな!
アネモネ

アネモネ