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ヒトラーのための虐殺会議のAMのレビュー・感想・評価

ヒトラーのための虐殺会議(2022年製作の映画)
4.5
これは人を選びそうな映画だけど、めちゃくちゃ面白かった。ヒトラーの映画は結構沢山観てきたけど、私がずっと知りたかった、なぜホロコーストに至ったのか?どうやってこの倫理が破綻している計画を、国家レベルで実施できたのか?と言う点がこれでもかという程掘り下げて描かれていたので、一時停止しつつ調べながら完走した。映画館で観たかったけど、これは配信でよかったな。

冒頭のシーンでハイドリヒ親衛隊大将が、「祖国の為に義務を果たす勇敢な行動は将来必ず評価される」という台詞で部下達を鼓舞するけど、ニュルンベルク裁判で戦犯となってどこまでも追随されたよね。ここまで他民族排除のムーブメントが大きくなってしまったら、自分の職位を捨ててまでして誰も反対意見言えなかったのだろうけど、それにしても非人道的すぎる。各人が自分の利権や保身を第一に考えて議論してるのが、人間味あり過ぎた。

アーリア人がそんなに偉いんかね、没収することをアーリア化と言ったり…人種差別反対
そしてヴェーレマン嬢凄すぎ、これだけの量を一人でメモで(!)書き留めるの、天才では…?居心地良いように職場環境整えようって、ミュラー親衛隊中将とデキてんの?笑 実際ヴァンセー会議の議事録は本物と断定できる物ではないらしいとの意見も…

主旨と全く違う観点であくまで芸術性としてだけど、ナチスの制服のデザイン本当に美しいなと改めて。デザイナーHugo Bossなの知らなかった。襟だけダークグリーンなところとか、コートまでお揃いの所とか全部凄いよね。

亡くなった600万人のユダヤ人の方々に、心からお悔やみ申し上げます。どうか天国で穏やかに過ごされていますように。
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