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正欲のjteaのネタバレレビュー・内容・結末

正欲(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

死にたくはないけど死にたくなる。病気や、生活苦からではなく漠然と襲ってくる希死念慮。ほんとうは生きたいんだ。と、自分の知らない心が悲鳴を上げているよう。人には言えない嗜好は自分を守るためではないのか?人に迷惑をかけるほどなら非難されるだろうけど。そんなに恥ずかしいことなのか?ストーリーは偶然にも同じ嗜好を持つ人とのつながりから変化していく。冒頭の夏月の表情からラストの表情を見てわかること。寄り添う人がいれば生きる気力が湧き日常が変わる。

このテーマは繊細でかつ危険もあることも描かれている。SNSのつながり、同じ嗜好を共有、犯行現場にいただけで犯罪者と決めてかかる。ありえない、ありうる、普通、普通ではない。思い込みだけで判断する。少なかれ自分にも思い当たるふしはあるのですが。
普通とはなんだろう?普通の反対は異常?そんなことを考えさせてくれる作品。
越川役、宇野祥平さんの好感度があがり、寺井役の稲垣吾郎さんが少しだけ憎たらしくなる作品でした。
ラストの夏月の「居なくならないから」「普通のことです」と、発した言葉が自信にあふれているようで救いを感じた。
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