mai

正欲のmaiのネタバレレビュー・内容・結末

正欲(2023年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます


【想起させられこと】
映画 リリーのすべて
ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』
能町みね子『結婚の奴』
サルトルとボーヴォアール

【考えたこと】
①卵と壁
「多様性ってやつは物事をややこしくするし、喧嘩や衝突が絶えないし、そりゃないほうが楽よ」「楽じゃないものが、どうしていいの?」「楽ばっかりしてると、無知になるから」
ブレイディみかこ ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルーより

ひとは時にシステムや構造の奴隷になる。

「気を遣わせるのもハラスメント違う?」
あの発言をした妊婦がそうだったように、自分が多数派の側に立つとシステム側の奴隷となり「無知」な「思考停止」人間になってしまう。完全に理解などしなくてもいい。せめて卵を破壊する壁にならないよう、偏見を持ったりせず知ろうとする。それが本来の多様性なんじゃなかろうか。

②家族制度より必要なのは支える人間
私は恋愛や子を育てる家族制度機能はないほうがいいと思う。
国が子育てをして
大人はパートナー制度だけにした方がいいと思っているので、この擬態家族はとても良いと感じた。
人間はどんなに辛くて苦しくて、ひとりでもいいやと思っても
やはり社会、人の中でしか生きられない。

ただそこに居ていい、存在していい
ひとは誰かにありのまま存在していいと、やはり誰かに承認してほしい生き物だ
そんなパートナーを見つける。
「いなくならない」
そういう運命共同体、心の支え的存在でいいんじゃないか。


③正欲
欲求を抱くことは悪か?
抱くだけなら悪ではない。
しかし、人と人の間にそれが生じ、実際に実行すれば、ぶつかり合いが必ず生じてしまう。
それが相手の生死に関わったり尊厳を傷つけたり損得に関わることだと問題になってくる訳だが今回に関しては水フェチ、誰にも迷惑かけていないのに?なんで周りの圧力がすごいのか?
だったらせめて都会に出ようよ、実家出ようよ?少しはマシになるよ。と思いつつ、あまりにも受身過ぎで拗らせ過ぎなガッキーがちょっと鼻についた。
mai

mai