このレビューはネタバレを含みます
そんなにたくさん観てないけど、今年観た邦画で一番良かった。
表現がとても間接的なところが良い。想像力を刺激してくれる。
水フェチであることを初めてはっきりと話すところもすごーく自然な流れで良い。
また、水フェチっていう、あまり一般的ではない、一見人によってはついバカバカしく思ってしまうものを主軸にして人とわかり合えないことの孤独を描いたところが良かった。彼らの傷ついてる姿を見ることで、どんな癖(へき)も大切にしないといけないという気づきを与えてくれたし、同時に、矛盾してるかもだけど小児性愛みたいな癖についても取り上げてることで、本当にどんな癖もあっていいのだろうかという葛藤も生まれた。
一見常識人と思える稲垣吾郎さんの役が一番孤独にも思えた。普通を周囲に押し付けることでそうやって孤独になっていくってことは、普通って意外と普通ではないのかもしれない。みんな擬態してるだけで。
俳優陣みんな素敵だけど、新垣結衣さんが特に良かった。最後の対峙のシーンが好き。きっとどんな犯罪者になろうと、決してこの人は離れないんだろうな、と思ってた中で最後の台詞は泣きそうだった。なにもしてないのに罪に問われてしまうことが、自分も同じフェチであるだけに許せないのだと思う。