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正欲の70のネタバレレビュー・内容・結末

正欲(2023年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

現代の賛否あるトレンドや社会問題のようなものがもりもりで終始息苦しかった、消化不良でふわっとした感想しか書けない…「価値観が変わった」という表現はしばしば乱用され作品を一気に陳腐なものにしてしまう気がするから好きじゃないけど、結婚し子を儲けるも離婚調停に至った夫婦と共通の性的対象により繋がった協力関係の二人、必ずしも人間同士の性愛や婚姻関係が強固な繋がりを生むとも限らないし時にそれを凌駕する程の関係性も構築可能なこと、自分の意識としてフラットでいたいし理解しているつもりでいても実践するのは並大抵なことではないな〜、共感はできなくても侵害はしないこと、彼らのような存在にとってひたすらに無害でありたい、一方でマジョリティ側であるはずの寺井が一番孤独に見えるのも何だか切なくて、自分が婚姻という形を取らないことはあってもその選択をした人を否定することはあってはならないと思った(SNS上で散見される「分断」を見ると胸が痛む)、また作中ではガッキーの『JOKER』が始まる…と予感させられたシーンにゾクゾクした、「鬱積」の様がリアルで…そして事情聴取で一貫してアウティングしようとしない姿勢が強くてかっこよかった、話を矮小化してしまうようだけど結婚する友人におめでとうという機会が増えた今日、周囲の価値観が苦しくなったら積極的に距離を取ろうと思ったし婚姻制度に乗っからなくてもいなくならないでくれる人を見つけたい…上映中に切実にそう思うばかりに泣いてしまいそうだった、個人的に神戸さんの物語をもっと見てみたかった
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