ぱららっぱぁ

ウィッシュのぱららっぱぁのネタバレレビュー・内容・結末

ウィッシュ(2023年製作の映画)
2.8

このレビューはネタバレを含みます

ディズニー100周年記念映画。
前評判等特になく、主題歌くらいしか知らないまま見たのだが、一言で言うなら"がっかり"である。

ヴィランであるマグニフィコ王がキャラクターとして魅力的である一方、著しい悪事を働くわけでなく、終盤に向けた豹変も禁じられた魔法を使用したためで外的要因によるものであり、本性そのものとも異なるなど、同情的に描かれている。
それ自体は別にいいのだが、"欠点は優しすぎるところ"(これを台詞だけで示すのも酷い)な主人公アーシャがその王を助けるでもなく鏡に閉じ込めて地下室に幽閉されて終わるのを良しとする終わり方は、シンプルに疑問が残る。

夢を個人の自由で差し出しているはずなのにいつの間にか"奪われた"ことになることといい、国民が王様がいなくなって心爽やかとつぶやくシーンといい、どちらかと言うと王がイジメられているようにすら映り、ハッピーエンドのはずなのにスッキリしないモヤっとした読後感が残る。

今までマグニフィコより罪の重いような悪役でも愛嬌があれば生存することも多かったディズニーにおいて、しかもこの令和の世に彼を和解の余地無く断罪するのは、あまりに酷でかつバランス感覚に欠けていると感じざるを得なかった。

曲はどれも文句なしに素晴らしいが、正直な感想を言えば、この作品が記念作品であることそのものよりも、これをあの天下のディズニーがお出ししてしまうという事実がちょっと辛い
ぱららっぱぁ

ぱららっぱぁ