ぱららっぱぁ

浅草キッドのぱららっぱぁのネタバレレビュー・内容・結末

浅草キッド(2021年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

あの日本が誇る名コメディアン、ビートたけしの下積みから栄華に至るまでを描く。

浅草で一番売れているフランス座の座長、深見を師と仰ぎ芸事の世界に傾倒したたけしが、フランス座からテレビの世界に旅立っていく物語。
これが面白いのは、たけしが主人公として力をつけていく前半の後、テレビで売れだしたたけしと裏腹に師匠の深見がフランス座を畳み、妻をなくし、芸事でなく日雇いの仕事で身銭を稼ぐまでに落ちぶれて描かれていくことだ。

飲み屋で飲んだくれ、常連につっかかるも殴り返されるシーンやバイト先で無礼な若者に絡まれ芸を見せろなどと無茶振りされるシーンなどは前半の羽振りの良さから思うと痛々しいのだが、その悲哀の中に一切れの矜持と少しのおかしみを覚えさせるのが、やはり名優大泉洋の面目躍如といったところだろうか。

主役のたけしを演じる柳楽優弥の演技も素晴らしく、演者たちの力と脚本が高水準に纏まっている名作である。
ぱららっぱぁ

ぱららっぱぁ