FUJIIYOSHINORI

アアルトのFUJIIYOSHINORIのレビュー・感想・評価

アアルト(2020年製作の映画)
5.0
無邪気にアアルトを享受していた自分に目の覚める一撃を喰らわされた。

アアルト=アルヴァ・アアルトではなく、アアルトとは、アイノとエリッサという2人の女性が支えたアアルトであることの重要性をこのドキュメンタリーは示している。

アルヴァとアイノの間で交わされた親密な手紙のやり取りは、現代の価値観ならアルヴァはXでボコボコにされるだろう。
アイノの癌の原因もアルヴァのせいなんじゃないかとさえ思えてくる。
僕が知らなかったアアルトの今までとは違った視点。
ただ、これが世界的建築家の真の姿かどうかはどうでもいい。

映画としては退屈で、美しい建築映像と秘蔵エピソードの心地良いリズムが多分7割くらいの人を眠りに導いていたと思う。ある種の映画的快楽。

おおらかで豊かなディテールの数々。
フィンランドの厳格な自然に佇む建築の時を経た美しさの崇高さ。
夏の家のレンガ積み幾何学模様の壁がとても美しかった。
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