このレビューはネタバレを含みます
オリジナルは全部観てないけど、これは素晴らしいね。
なんといっても絶望感が半端ない。
と同時に虚しさや理不尽さ、俺達はなんの為に戦ってるんだ、戦わされてるんだという人間の尊厳の所在やらが押し寄せてきて戦争というものの空虚さをこれでもかと見せつけてくる。
昔中学校の授業でプライベート・ライアンを観せられた時はなんでこんなむごいのを観なきゃならんのだという感情になったが、今作も今それくらいの時期の子供に観せるような新たなる戦争映画のマスターピース的存在だろう。
兵士達は必死に戦ってスープにありつくのもやっとなのに、上層部はクロワッサンが焼きたてだの焼きたてじゃないだので問答をしたりして馬鹿らしくなる。
ほんの少しのプライドを守る為だけに停戦間際の時間ギリギリまで戦わせる鬼畜の所業とその絶望感は「高地戦」さながらだった。
亡き兵士の血で汚された軍服は、綺麗に洗濯されてまた次の無垢な若き兵士達の元へ運ばれて行く。
その哀しきループをどうか断ち切って欲しいという願いを感じた。