とにかく「コレじゃない」感がすごかった、思っていたのとだいぶ違った映画。
スピルバーグの自伝的映画と聞いて思い浮かぶのは、幼少期の映画との出会いや、家族や仲間との関係を通して、あれやこれやのエピソードが「だからあの映画を撮ったのか!」とか「これがあのシーンに繋がるのね」みたいな話なのだが、物語は「両親の離婚」と「学校でのいじめ、差別」という側面にフォーカスしていく。
その二つの事件に、彼が撮った映像が大きく関係する。
カメラは残酷なほどに瞬間的な真実を切り取るけれど、同時に、多面的な物事の一部分をまるでそれが全てのように見せてしまう。
映像に残してしまうことの恐ろしさ、呪いにも近い、映像の力について語りたかったのだろうか?
どこまでが本当にあったことなんだろう。ラストでメタ的にカメラ位置を直して見せているから、かなりフィクションである可能性もあるけど…