Bob

オレンジ・ランプのBobのレビュー・感想・評価

オレンジ・ランプ(2023年製作の映画)
1.5
若年性認知症を患った若きパパの話。

大好きな主演の2人。
とても大事なテーマ。
絶対いいと思って行ったら爆死。

主役2人の演技は言わずもがな良いです。
癒し系俳優和田正人、安定感といえばこの人貫地谷しほり。素晴らしかった。
赤井英和も、いきなり出てくる中尾ミエも流石の存在感でした。

なのに…。
なにこの安いセリフの応酬。
周囲の演技してますよ感と、寒すぎる周囲の同調圧力もきつい。

ポジティブなメッセージが浅い脚本とのせいで綺麗事にしか見えませんでした。

脇役の演技も上手いとはいえないし。
主演2人と演技力の差がひどく、再現ドラマレベル。

ただ物語は良い話でした。
どこまでかわかりませんが実話ってので、世の中捨てたもんじゃないなとも思います。
劇中のオレンジリングのくだりは良い。演出はクソダサいけど。
民間人が講習を受けて認知症サポーターの資格取れるなんて制度があるんですね。
主人公の友人の真っ直ぐな言葉も良い。
反面若年性認知症の介護保険に入れるのは40代以降、30代で罹患しても加入出来ない法制度の不備も初めて知った。

劇中の主人公は終始意思疎通が出来るし、程度としてはそこまで重くないのかなと思う。だからこそ描けた社会の一面もきっとある。
でもこういった症状で済んでいる人は3.5万人の若年性アルツハイマー型認知症の方々の内何割、いや何パーセントなのでしょう。
この映画が誰かのためになればそれでいいけど。

大恋愛、長いお別れ等認知症を描いた作品ってどれも良作のイメージでしたが今作はイマイチでした。

僕が求めてたのと違ってただけであって、教材としては良い作品だと思いますのでその辺は観てご判断ください。
Bob

Bob