「銀河鉄道の父」というタイトルだけど、本作が放つ雰囲気は、美しく哀しい「銀河鉄道〜」というよりは、もっと身近で人間的な「雨ニモマケズ」って感じだった。
宮沢賢治と、父と妹。
等身大の風景。
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雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク
決シテ瞋ラズ
イツモシヅカニワラッテヰル
(中略)
ミンナニデクノボートヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
サウイフモノニ
ワタシハナリタイ
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賢治は、父に褒められたかった。
ほんとうは、お父さんのようになりたかった。
サウイウモノになりたかった。
でも、なれなかった。
“だから 俺は 子どもの代わりに
物語を生んだのす”
公開:2023年
監督:成島出(『八日目の蝉』『ふしぎな岬の物語』)
出演:役所広司、菅田将暉、森七菜