旅するランナー

銀河鉄道の父の旅するランナーのレビュー・感想・評価

銀河鉄道の父(2023年製作の映画)
4.5
【宮沢賢治体質】

第158回(2017年)直木賞を受賞した門井慶喜の小説を実写化。
宮沢賢治が人造宝石、農業、宗教などに没頭するダメ息子に描かれています。
こだわり体質であり、思い込み体質であり、親依存体質であり。
まあ、手間が掛かるから余計愛しいってこともあるんでしょう。
父・政次郎による息子愛があったからこそ、今の宮沢賢治への高い評価があるんですね。
父役所広司、兄菅田将暉、妹森七菜の演技を涙無くして見られません。

2019年に、京都清水寺でCONTACT展ってのが開催されました。
原田マハがキュレートしたイベントです。
そこで、僕は、茶室の中、賢治直筆で雨ニモマケズが書かれた手帳に間近にコンタクトしました。
心も足もしびれましたね。
映画の中で、父が息子の手帳を手にして、雨ニモマケズを読むシーンがあります。
その手帳が、実物っぽくて、おっ!と感激しました。

また、柴山元彦著「ひとりで探せる川原や海辺のきれいな石の図鑑3 海辺篇」の中に、石好きな宮沢賢治が、早世した妹トシの鎮魂の旅として、約束していた樺太の海岸に行くエピソードがあって感動しました。
この映画を観た後、僕は、宮沢賢治という名前に反応して、すぐ涙ぐんでしまう体質になりました。。