「入場特典のビーフジャーキーです!ゾンビの気持ちで食べてください!」
…映画館従業員の心に残るキュートな名ゼリフ🧟♀️🥩
″今カノ″と″元カノ″と″カレ″の歪な三角関係が織り成す狂気の友情物語!?
三角関係映画といえば吉田恵輔の『さんかく』が思い浮かびますが、人間の面白さを描くのには持ってこいの要素だと実感。
三角の三点同士を嫉妬、怒り、悲しみといった感情が行ったり来たりし、三角に描かれた細線が色濃い三角形にみるみる変化していきます!これらの感情が宿る様々なアイテムの存在も素晴らしく、写真、鍵、アクセサリ、ビーフジャーキー、おばあちゃんの習性(笑)…等々といったアイテムたちはキャラクターたちの感情の変化によって意味を変えて登場します。
アイテムのみならず、この物語そのものも様々な顔を持ち、人間の色恋沙汰なんてのは、夢のあるおとぎ話にも、絶望的なゾンビ映画にも重ねることができるということを教えてくれます。ゾンビ映画における″最初に殺されそうな人物″が、ゾンビとなり肉を貪り食う…これがそのまんま重なるあるシーンには鳥肌が立ちました。
すべてのシーン、セリフ、アイテムには必ず意味がある…これは映画としては当たり前のことではありますが、本作ではそれを、時系列操作によって効果的に見せることもしてて、巧いなと。。来年公開の『嗤う虫』『悪い夏』に向けて城定マラソン再開しましたが、このままではハードルがどんどん上がっていきそうで困った。
松本穂香の演技を初めてちゃんと見ましたが、この女優はもっと狂える!と、彼女の狂気の伸び代を勝手に実感。『マイ・ブロークン・マリコ』の奈緒もそうでしたが、可愛さの奥にある狂気をまたもや感じることができて良い収穫でした。『凶悪』での恐怖の冷たさが未だに記憶に新しい白川和子おばあちゃんの怪演にも注目!