このレビューはネタバレを含みます
ついに完結!…っておい!
クイーン戦を見せてくれい!!😵
…面白いシリーズだっただけに、消化不良感がでかい。。
太一の成長譚をメインに持ってくるのは良いですが、それによってシリーズで温めていた盛り上がりポイントである「千早×太一×新のドロドロ三角関係の行く末」、「千早と詩暢の関係」の2点がおざなりになってしまった感じが否めない…
特に千早なんて、冒頭でクイーン戦の裏方やらされた上に、当のクイーンである詩暢から「あんただれ?」と吐き捨てられるというド級の屈辱を食らっているのにも関わらず、太一の物語が押しちゃったせいでクイーン戦=″千早の成長譚″が思いっきり省略されてしまっとるがな!!
「私もっと強くなる!」→結果、なんか名人っぽくなって先生もやるようになりました!(メデタシメデタシ)
…この巻きのラスト、、この一瞬に凝縮されてしまった部分がまさに観たいところだったのに。太一&新を乗り越えて、詩暢を乗り越えて、名人の壁を乗り越えて…ここを描いてくれ。。
しかも、詩暢は詩暢で、終始コメディリリーフとしての扱いになってしまっていて、、心底残念。。クイーンとしての凄みを常に放っててくれ!そしてたまにカワイイもの好き女子の顔がポッと出てしまう…こういうギャップを大切にすればより魅力的なキャラクターになっただろうに。もったいない。
勝手な願望ですが、スノー丸を始めとしたユルキャラ(?)好きが千早と詩暢の共通点ということなので、クイーン戦前にスノー丸ライブでばったり鉢合わせして意気投合するけど、別れ際にまた殺伐としたライバル関係に戻るみたいなシーンがどうしても観たかった。いや、当然用意されていると思っていた。…とにかく、いくらでも面白くなりえる要素を悉く手放してしまっていると思いました。
三角関係の件についても、扱いが軽くなってしまった感じ。「また3人でカルタをしたい」という千早たちの思いが成就される最終決戦の場で、揃った3人のリアクションがとにかく薄い。ここでも太一がひとりで全部持っていってる感じがして、千早と新の影が薄くなってる。。この3人の関係はいずれ、″再会の感動″と″三角関係のギスギス″と″カルタによる熱戦と駆け引き″の3つがごちゃ混ぜになって、さぞこちらの感情を揺さぶる激アツな展開になることを期待していました。ハードル上げすぎかもしれませんが、この3人の関係性にはそれぐらい面白い要素が詰まっていたのだから、これぐらいの期待はして当然!それが見事に裏切られてしまった。。
本作のメインはあくまでこの3人にしてほしかった。
あと今回から加わった新キャラに賀来賢人がいますが、別にこのキャラが嫌いだったり、存在感を否定しているわけではないですが、なんか「急に出てきてなんなのアンタ」って思いが拭いされない。
…太一よ、絡むのなら新と絡まんかい!素性のよく分からない新顔と長い時間絡んで千早や3人の物語を削ってしまうのはよくない!!しかも新は新で終始サイコパスみたいに飄々としてて、「好きな子いる」を天どんギャグとしてぶっ放す始末。。
このシリーズでもう2つワクワクするポイントが、「カルタおもろ」となる戦法・技術の発見、カルタの句と物語が重なる瞬間ですが、一応今回もちゃんと描かれはするものの、物足りん。運命戦がうんたらかんたらっていうのも『上の句』でやってるし同じように見えてしまって新鮮味がない。。
カルタ対決そのものに熱くなる場面が、残念ながら期待を上回るものではなかった。。
そして毎度お馴染みPerfume締めで、後味も決して良くないままシリーズの幕が閉じてしまった。
文句垂れましたが、シリーズ全体としてみれば面白かったです。キャラクターも、新キャラ含め全員個性があって素晴らしかった。
それだけに……もう1作続編作ってほしかった!