11歳の娘ソフィと、彼女と離れて暮らす父との海辺で過ごした夏の思い出。あの頃の父と同じ31歳になったソフィは、ビデオカメラの映像を眺めながら、当時の父との思い出、そして当時は分からなかった父の心情に思いを馳せる。父と娘の関係や背景、そして父のその後のことなど、説明はほとんどない。余白を埋めながら彼女の思い出を眺めていると、彼女と同じように、父の心情を追いかけている自分がいる。親の年齢をはるかに越えたおじさんには、なんとなく親目線で娘を眺めている自分もいる。色んなことに思いを馳せながら、じわじわと感じさせる作品。
