このレビューはネタバレを含みます
11歳の時に、離れて暮らす31歳の父親と行ったトルコのリゾート地での夏休み、ビデオカメラで撮った映像を大人になってから見返す、というだけの時間。
子どもの頃のビデオを見返す、本当にそれだけなのだけど、だんだん不穏な空気が漂う。
すごく言葉にするのが難しいのだけど、子供の頃にはわからなくて、大人になって思い返すと「あ…」となる出来事ってたくさんあると思う。
子どもの目から見たらきっと明るく振る舞う父だったのだろうけど、大きくなって、「結果」を知った上で見返すと、きっと父が抱えていたものが見えてしまうのだと思う。
何があったかまでは明示されないのだけど、なんとなく、程なくして父親は亡くなってしまったんじゃないかと思わずにはいられない。なんなら自殺。
きっとソフィはこの映像を初めて見るんじゃなかろうか。
おそらくだけど、父親はこの夏休みのトルコ旅行の間にも何度も死にたくなっている。でもどうにか死なずに旅行を終えられた。
太極拳とかさ、最初は何も思わなかったけど、覚えてない傷とか、セリフの細かいところからもわかるんだけど、父親の不安定さがどんどん色濃くなってくる。
たぶん最初の方にも、気づくまで何も思わないような要素がたくさん散りばめられていると思う。
少し時間をあけてまた観てみたい。
なんだか苦しくなるな。
