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葬送のカーネーションのJellyfishのレビュー・感想・評価

葬送のカーネーション(2022年製作の映画)
4.0
孫娘を連れて妻の遺体を故郷に運ぶ老人を描いたロードムービー。
去年、遺灰を運ぶ「遺灰は語る」っていう映画があったな、観てないけど、なんて考えながらスクリーンに向かう。

冒頭結構かったるいが、タイトル表示後、第三者が関わり始めるあたりから物語が動き出す。二人は難民なのでトルコ語がよくわからない。そんなこともあって、最小限のセリフで物語は進行する。ワイドスクリーンに映るトルコの荒野が美しい。

故郷の国は戦火の中で、徐々にそれを感じさせる景色が増えてくる終盤、英語タイトルのクローブもカーネーションもちゃんと効いている。ここに至って、これはイラン映画「君は行く先を知らない」を反対側から描いた話なのだなと気付く。

そして何といっても、ラストの音響と映像が素晴らしい。このラストで思い出したのが、中国映画 (実質的にはモンゴル映画)「草原に抱かれて」。
冒頭のシーンにも繋がる、この祝祭感こそがこの映画の醍醐味。アジア映画万歳。
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