Layla

葬送のカーネーションのLaylaのネタバレレビュー・内容・結末

葬送のカーネーション(2022年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

とてもセリフが少なくて、ドキュメンタリーのような映画。2人の故郷がどこかも明示されていないし(おそらくシリア?)トルコの難民問題については本作では細かく言及されていないが、現地の人々とのやりとりから、共存の難しさも垣間見える。

ムサとハリメが出会う人々とのやり取りや、わずかな会話を通してムサの感情を読み取ろうとすることはできるが、理不尽な状況に直面したときの人々の行動って本当に型にはまらないもので、その心情を完全に理解することは不可能だとも改めて感じた。

火葬文化の日本人の自分にとって、以前は埋葬を重んじる外国人の感覚が理解しづらいと感じていたし(ハッキリ言ってしまえば、どうして亡くなったあとの形にこだわるのだろう、と…)
しかし最近の自分自身の経験も通じて、生と死の境界は思っていたよりも曖昧で、実際には地続きであることを感じるようになった。物語の冒頭とエンディングは婚礼のシーンがおとぎ話か幻のように差し込まれるが、まるで絵画のように美しいなと思った。
Layla

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