ブタブタ

独裁者たちのときのブタブタのレビュー・感想・評価

独裁者たちのとき(2022年製作の映画)
4.0
『推し武道』の後に『独裁者たちのとき』を。
《アイドル》とは《偶像》であり本来もっと邪悪な意味な含むらしくヒトラーみたいな奴こそ正に《アイドル》と形容するに相応しい存在らしい。

『独裁者戦隊キングディクテイター』
ヒトラー!スターリン!ムッソリーニ!チャーチル!自らを「邪悪の王」と名乗る主人公はナポレオンで6人目の追加戦士はキリストか?

「共産主義者はどんな臭いがする?みんな同じ臭いだ」

80年代ファシズム政権下のオランダでは共産主義を迫害・攻撃し、その時代をパロったヒーロー番組『キャプテン・ファルコン』というのを昔世界まる見えで紹介してた。
「キャプテン・ファルコンは今日も自由と平和の為に共産主義者と戦うのだ!」
共産主義者(全員赤いスーツにソ連マーク)が発射する《共産主義ビーム》を浴びると共産主義者になってしまい共産主義者はゾンビの様にどんどん増えていく。
キャプテン・ファルコンが鏡で《共産主義ビーム》を跳ね返して逆に共産主義者に浴びせる。
すると共産主義者はユダヤ主義者になったのでした(このギャグの意味は未だに分からない)

「この映画にAIやディープフェイクは一切使用してません」

冥界に行こうとも敵はユダヤ人。
正確には《ユダヤ人》という人種は存在せず《ユダヤ》という思想・信仰を信条とする人達が《ユダヤ人》という事らしい。
(SWのマンダロアってつまりユダヤなのか?)
イスラム教は《偶像崇拝》を禁じ《ユダヤ》にもハッキリと目に見える形がない。
自らを《偶像崇拝》の対象にしたい独裁者達の最大の敵はイスラム教やユダヤといった《形のない》もの。

煉獄で傷付いたまま横たわるキリスト。
ゴルゴダの丘での処刑されてからの復活は嘘でした(笑)ってあんなハッキリ描けるのは矢張りソクーロフ監督はキリスト教圏外の人だからか。
スターリン「あの若者は使える」
とキリストという「形を持ったキリスト教」を自分の手駒にしようとするスターリン。
しかしその後独裁者達は何か具体的な行動に移る事はなく分裂した自分や独裁者戦隊の寄り合いでブツブツグダグダ愚にもつかない内容の話しをひたすら続けてるだけ。
夜行バスに乗るみたいに時々天国への門前に皆で集合👼🌈💐
しかし門は開かず時々ちょっとだけ開いても向こうへは行けない。
《帝国》《戦争》《民衆》どれも独裁者たちにとっては同じ物。
津波の様にうねりやって来る大群衆が一応のクライマックスだけど基本ずーっと何も起きないので睡魔に襲われる事然り。
《天国の風車》の前に殆ど一瞬だけ現れるナポレオンがカッコイイ✨

「女王陛下は何処にいるのだ」

最後まで現れないエリザベス女王とエンペラーヒロヒトは天国に直行したのだろうか。

それからチャーチルは公爵で夫人のクレメンタインは女男爵何ですね。
〝女男爵〟って単語が使われてるの初めて見た。

東京国際映画祭で『フェアリーテイル』の原題で公開されたけど同じく東京国際映画祭で上映された『マジカル・ガール』のカルロス・ベルムト監督の『マンティコア』も早いとこ公開して欲しい。

睡魔に襲われる事然りと聞いていつもの鑑賞マナーの悪い単館系シアターで見たのでアチコチからグースカいびきが聴こえるの覚悟して見たのですが予想に反して全くそんな事はなかった。
更にはいつも必ずいるスマホ見たり音立てたりする人間も皆無。
この映画館は残念ながら7月で閉館する事になってしまい最後ぐらい皆ちゃんと見ないと、とでも思ったのだろうか。
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