てるる

孔雀の嘆きのてるるのレビュー・感想・評価

孔雀の嘆き(2022年製作の映画)
3.7
東京国際映画祭2022 ⑥本目

両親を亡くし、妹の手術費を稼ぐために就いた仕事は人身売買のトラックドライバーだった…。

去年のTIFFで観た「ASU:日の出」と同じ監督作だと後から知りました。
重めのテーマなのにゆったりした作風は確かに似てる。

監督は妹を病気で亡くしたらしく、その妹の存在を映画に残したかったのだとか。
Q&Aでその事を話してた時に感極まって涙を流していたのが印象的だった。

人身売買は違法ではあるけど、めちゃくちゃな悪人はいなかったのも印象に残る(女性殴ってたヤツはクズだけど)

人身売買施設の女所長、赤ちゃんを売る母親、赤ちゃんを買う側。
それぞれに何かしら理由があり、そこに携わっている。

そういう意味では是枝監督の「ベイビードライバー」に通じるものがある。

これは人間誰しもが善の部分もあり、悪の部分もあるということを表したかったのだとか。

それとスリランカは今まさに経済的な危機にあり、それは中国の一帯一路政策による「債務の罠」が原因という見方が強い。

中国が建設中の建物を映し出したり、人身売買組織のボスが中国人という設定などによって、メタフォリカルに表されていた。
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