みほみほ

こんにちは、母さんのみほみほのレビュー・感想・評価

こんにちは、母さん(2023年製作の映画)
4.0
🎇2023年191本目🎇9

予想以上に良くて、何度もじわじわと泣いた。来ている層も落ち着いていたし、のんびりゆったりと鑑賞出来て心地の良いひとときでした。

長さを感じることもなかったし、山田洋次のドタバタ劇がそこまでハマらなかったタイプの人間だった私でも今回はすーっと心に染みてきて、素敵な気持ちを貰う事ができた。

映画というよりも舞台で演劇を観ているような乗りではあったけど、そこがまた可笑しくて好きだった。吉永小百合が愛おしくて、大泉洋の醸し出す哀愁といい人っぷりが居心地良くて、笑いながら泣いて癒されました。

誕生日が近いので映画の選出に変にこだわっていた自分がいたけど、薄々「こんにちは、母さん」で良いのかと思いながら観に行ったつもりが、「こんにちは、母さん」で良かった!と今は強く思っている。

思い描いていたストーリーよりももっと奥の方に染みてくるものがあったし、謳い文句では 「全国の母さん 出番ですよ!」としているけど、このお話は息子が見ても染みるものがあると思う。(横で観ていた夫は尚更染みるものがあったろうなと考えながらまた泣きそうになる)

私はどの登場人物とも立場が違ったけれど、ふと立ち寄れる隅田川のほとりにこんな温かさと寂しさの詰まった実家があったらどんなにいいだろうと思ったし、ハッピーだけの夢物語ではないので思わぬビターさに心苦しくなったと思ったら、また笑ったりしてなんだかホッとした。

予定変更し映画にしたんだけど、エンドロールの花火が綺麗で自分も花火大会を観ている気分になれてうっとり出来たのがとても良かった。

どの俳優さんも良かったけど、大泉洋の醸しだす庶民感が素晴らしくて何度も泣いちゃった。

田中泯さんは「銀河鉄道の父」の時に舞台挨拶で拝見して、静かながら観客の心を掴む言葉選びが上手い方だなと印象に残っていたので、今回の役柄といいその風格といい、素晴らしかった。

途中までは3.8くらいの感情だったけど、終盤とエンドロールで心を掴まれたので4.0とさせていただきました。心に優しく眩しい栄養が蓄えられました。

何度も試写会に当選していたものの都合がつかず諦めていたところ、ムビチケカードが当たって自分の都合で観に行く事が出来たので有難かった。敬遠してた自分が馬鹿みたいに思えた。

そしてムビチケを買い足し一緒に観に行ってくれた夫も家族亭さんも、本当にありがとうございました。
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