このレビューはネタバレを含みます
ボクシングの映画やドラマは大抵良作だと思う。
ボクシングというスポーツ自体が熱く、ストイックで、試合が白熱するからだと思う。
横浜流星はこの映画のためボクシングのプロライセンスを取った。彼は空手のチャンピオンだったから容易にボクシングのライセンスも取れただろうというコメントを見たことがあるが、そんなに簡単なものではないことはボクシング好きなら分かると思う。
しかしその努力の過程を軽々しく口にしない彼の姿勢は本物のボクサーそのもので、その自制的な信条が体づくりや演技にも現れていた。
横浜流星と、対戦相手の窪田正孝は両名ともボクサーの体に仕上がっていて、素晴らしいパフォーマンスも見せてくれた。
ボクシング映画はやはり試合のシーンが良くないと話にならない。
そういう意味でもこの映画はボクシングシーンも迫力があって良かった。
ボクシング自体は個人戦のスポーツだが、セコンドを始め周りのサポートがどれほど大きいか改めて思い知る。
横浜流星はこのキャラクターを3通り演じ分けてている。
ボクシングを始める前の不良、ボクサーとしての主人公、ボクサーを辞めた主人公。どの顔もまるで別人のようで素晴らしい。
そしてやはり佐藤浩市はすごい。
どうすごいかは私には語り尽くせないので、本編で見て欲しい。私に言えるのはただ「存在感」とだけ。