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梟ーフクロウーのBluegeneのネタバレレビュー・内容・結末

梟ーフクロウー(2022年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

梟ってそういう意味だったのか!と膝を打った。サスペンスとしても、史劇としても、そして人間劇としてもよくできたバランスのいい作品だった。

舞台は満州族が台頭し明が滅亡した頃の朝鮮。物語の背景には大国に翻弄され続けてきた小国の悲劇があり、清との協調路線を主張した世子は父である王に疎まれ、謀殺される。

主人公は全盲ではなく、光がなければ強度の近視程度には物が見える。だが周囲の人は盲人は何も見えないものと決めてかかり、彼の前では何をしてもわからないと安心している。だから「見て見ぬふり」をするのは主人公にとっては一種の処世術だった。

ひたすら頭を低くし、何も見えないふりをしてきた主人公が「私は見た」と声を上げるまでの心境の変化が丁寧に描かれるので、その勇気が踏み躙られる虚しさ、悲しさもひとしお。ただ、その声が無駄ではなかったことは4年後の下りで明らかになる。「死因は感染症」はちょっとムリがあるかなと思いつつ、復讐を果たした主人公に拍手喝采w
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