前作で主人公猿シーザーが死んだため、主人公猿をノアという新キャラに交代し、300年後の世界を描く「猿の惑星」シリーズの新作。予告編からして面白くなさそうな雰囲気が漂っていたが、シーザーのシリーズが好きだったので鑑賞した。
最低の駄作というほどでもないものの、前三部作に比べれば圧倒的に退化している。
まず主人公猿ノアにシーザーのような魅力がなく、リーダーシップもない。他のキャラも描写が弱く、ヒロイン枠の猿も可愛くないし、コメディリリーフっぽいちょっとおっちょこちょいな猿も面白くないし、敵のボス猿も怖くないし、人間の少女もラスト直前まで何がしたいのか全く分からない。
シーザーのシリーズは、徐々に猿と人間の立ち位置が逆転していく過程が描かれる面白さがあったが、今作はほぼ完全に猿vs猿の戦いで人間は蚊帳の外状態のため、割とどうでもいい。少し弄れば、別に猿以外（たとえば人間）でも成立してしまうストーリーであることも問題。
あんな海っぺりにシェルターを建造してしまう、文字通り猿以下の知能しかない人類もいかがなものかと思う。
荒廃した都市の絵面は大好きだが、「とりあえずビルに植物生やしとけばいいんでしょ」的なやっつけ感には腹が立って仕方がない。
そもそも、何十年もこのテーマ（猿と人類の共存は可能か）で似たような映画を作り続けることにムリがある。正直、もうとっくに飽きている。
こんな「ONE PIECE」のプロットを真似して3巻で打ち切られるジャンプの新連載みたいな映画ばっかり作って、ハリウッドは恥ずかしくないのか…
