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カラヴァッジオのMjMoのレビュー・感想・評価

カラヴァッジオ(1986年製作の映画)
4.0
久しぶりにデレク・ジャーマン作品を鑑賞。西洋美術のバロック様式を代表する画家であると同時に素行の悪い犯罪者でもあるカラヴァッジオを主人公に据えた時代劇。制作風景を通じてカラヴァッジオ作品の活人画を観られるところが本作の魅力のひとつだと思う。明暗のコントラストが強烈な画風を、緊張感のある美しい構図でカメラにおさめている。詩的なモノローグもデレクジャーマンらしく美しい。
 そしてオープンリーゲイだったこの監督の作品に欠かせない要素がゲイ男性のセクシュアリティ。カラヴァッジオをバイセクシュアルの人物として描いている。本人のセクシュアリティについてはっきりしたことはわからないものの、生涯独身で子どもがおらず女性のヌードなどエロチックな絵を一枚も残していない、若い男性の肖像画の描き方の特徴などから男性に性的に惹かれていたのではないかという仮説も立てられているようだ。
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