好き勝手なてそ

テリファー 終わらない惨劇の好き勝手なてそのレビュー・感想・評価

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「全米が吐いた」がキャッチコピーの、スプラッターシリーズ第2作目。配信レンタルで鑑賞。

■あらすじ
道化師アートが死体安置所から復活!今度は謎の女の子も仲間になって街に繰り出す。
前作の事件から1年後、街はふたたびハロウィンムード。シエナはパーティーのためのコスプレ衣装を買うために店を訪れると、1年前の事件の犯人である道化師アートにそっくりな人物が現れるーーという話。
1作目見てからこちらを見たほうが、多分よいと思う。
子供や動物(オポッサム)がかわいそうなことになる描写があります。
かなりグロ特化のスプラッター作品です。

■ざっくり感想
相変わらずグロかった。
血や痛みの描写というより、内臓ぐちゃぐちゃ顔ぐちゃーみたいな気持ち悪い描写が特に今回多いので、「全米が吐いた」はわりと良いキャッチコピーだと思った。
しかも、今回新たに仲間っぽい女の子登場。
アートも人間じゃないけど、女の子はさらに実態のない存在だということがわかる。
「最悪なレオンとマチルダ」って感じだった。

この2人が滑稽な動きをしながら人々をみるみる追い詰めて無意味に殺戮していくという、グロさ残酷さ割増な具合になっていた。
また、次回作への伏線や、今回だけではわからない謎な部分や、何らかのメタファー的なものも感じたので、3作目で回収されるのを楽しみにしたい。

弟ジョナサンが絶妙に成長期って感じの声変わり最中の声質の子だったのが非常によかった。
多感でコントロールが難しい感じにの年頃に、かわいそうだけど見える。

ーー以下ネタバレ含みますーー


■謎:女の子は何者?
エンドクレジットでは役名は「little pale girl(肌の青白い少女)」とあるのでこの段階っては固有名はない新キャラ。
アートと出会ってお股から何らかの茶色い液体を放ったあとに、アートとアルプス一万尺をして意気投合する。が、一般の人間には彼女は見えないことがわかる。
イマジナリーフレンド?はたまたアートと内面の一部なのか?
遊園地で殺された女の子に似ているとジョナサンは言っていたので、その女の子の霊とか…?

■謎:遊園地の「TERRIFIER」とは何なのか?

後半で舞台は遊園地にうつり、シエナは閉園中の遊園地に佇む「テリファー」(いきなりタイトル回収)という建物に導かれる。
テリファーとは直訳すると「恐怖心を抱かせる人」らしいけど、この建物はまあ広そうなお化け屋敷だった。
シエナはアートと格闘の末に剣で貫かれると、電飾で囲われた穴に落とされてしまう。
落ちた先は水の溜まった水槽で、外はなんとシエナが悪夢で見たCMの撮影スタジオだった。
これはいったい…?
遊園地は、先の女の子が殺害されたところと同じと思われ、アートがここを本来アジトにしていたのかも。

■謎:なぜシエナが狙わたたか?シエナの父とアートの接点は?
アートはすぐ殺す場合もあるのに、ジョナサンをわざわざ眠らせて遊園地まで運び、シエナをおびき出した。
そこまでして何をやりたかったのか?シエナとはアートにとってどんな存在なのか?よくわからないで終わった。
また脳腫瘍のあと妄想にとらわれ自死したというシエナの父についてもあまり触れられなかったが、アートが狙った理由にも関係すると思う。

■謎:何かのメタファー?ほかにも気になる要素たち
(1)CMに出てきたシスターと浮浪者
悪夢にも出てきたCM撮影スタジオだが、CMでは子どものふりした大人たちが楽しそうに歌っている端で、シスターと浮浪者が「貧しいものにお恵みを」と呼びかけている。このシーンはなんの意味があるのか?いきなり風刺めいてる。
(2)シエナの衣装
不審火で羽が燃える、羽の生えた天使が落ちる。甲冑+剣+天使となると大天使ミカエル。
しかし、羽が燃えたり突き落とされる表現もあり、このあたりは堕天使ルシファーも表していそう。
(3)水槽
個人的には水槽にシエナが落とされたとき、最初は「羊水みたいだな」と思った。シエナの脚に絡まるのはへその緒で、シエナは一度溺れ死んだかのように見えるけど剣が不思議な光に満ち、傷も癒えて復活する。
ラストシーンでリトルペールガールがアートの頭を抱きしめ消えていきヴィクトリアが産むシーンになるが、もし水槽が胎内なのであれば、アートの首はあの水槽にいったん沈められたのでは…?と思った(ようわからんけど)
(4)ジョナサンの興味
ジョナサンはアートの事件のほかに、ナチスやホロコーストについて調べているというセリフがあった。
CM撮影スタジオで現れたアートが銃で無垢な子供たちを意味なく殺戮していくシーンがあったが、浮浪者のことなども含めると何らか意味があると思ってしまう。