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薔薇の名前のtakanoひねもすのたりのレビュー・感想・評価

薔薇の名前(1986年製作の映画)
4.2
中世を舞台にした僧院ミステリー。
原作はウンベルト・エーコ「薔薇の名前」
一応既読済(といっても大分前)

映画もビデオ時代に観ていて、ここ数年また観たいなあと思ってた作品のひとつだった。
ようやく再観賞。

1327年、諸々の方法で金儲けしまくってた教皇側と、清貧を旨とするフランチェスコ会派(皇帝派)の調停の話し合いがイタリア北部の僧院で行われることに。
しかしその僧院で若い修道士の不審死。
一足早く到着したフランチェスコ会派のウィリアム修道士(ショーン・コネリー)と弟子アドソ(クリスチャン・スレーター)が調査を始めるが更に事件が起きるという探偵物。

黙示録になぞらえた見立て殺人で話は進む。
過度な知的好奇心と教義の見解(=禁書)が根っこの部分にあり、また異端審問が絡んでくるため頭の中が結構忙しない…もう少し宗教の歴史への知識が欲しい自分(;^ω^)

作品は概ねてっぺんハゲのおっさんしか登場しない。
顔立ちも個性的な面々で登場人物が多いにも関わらず誰が誰やら混乱しないのが何気に凄いと思う。
またおっさんに囲まれた中でクリスチャン・スレーターの紅顔の美少年振りが映えることといったら。
(しかしザビエルハゲ)
唯一の例外で村娘が登場…ほぼ野生。

ショーン・コネリーが渋い、格好良い。
本の山を目の前に大困惑している場面が特に好き。
分かるその選べない気持ち 笑

僧院の装飾や蔵書、服装、文書館の迷路、師弟で探偵物という個人的にツボが満載な作品。久しぶりに観れて大変満足でした。