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Dr.パルナサスの鏡のkarmapoliceのレビュー・感想・評価

Dr.パルナサスの鏡(2009年製作の映画)
4.0
The Imaginarium of Doctor Parnassus:テリー・ギリアム監督、ヒース・レジャー主演、2009年イギリス、カナダ作品。

2007年ロンドン。パルナサス博士が率いる旅芸人の一座が街にやってきた。博士の出し物は人が密かに心に隠し持つ欲望の世界を、鏡の向こうで形にして見せる「イマジナリウム」。博士の鏡をくぐりぬけると、そこにはどんな願いも叶う摩訶不思議な迷宮が待っている。 しかし1000歳になるという博士には、悲しい秘密があり・・・・。

撮影中の2008年1月にトニーを演じるヒース・レジャーが急逝、撮影が中断し一時完成が危ぶまれたが、彼と親交のあったジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルの3人が別世界にトリップしたトニーを演じることになった。結果的には面白い演出にもなっていると思う。ちょっとジョニー・デップとジュード・ロウは一瞬見分け難いような気がした(笑)パルナサス博士役のクリストファー・プラマーもいい味の好演をしているし、Mr.ニック役にトム・ウェイツの出演も楽しい。

この作品の世界観はかなり好きなタイプ。テリー・ギリアム監督らしいシュールでコミカルで、狂気や廃退的な要素を含みながらもポップな世界が楽しめる。旅芸人の一座やパルナサス博士の設定が、テリー・ギリアム監督にピッタリで、多少大げさであったり、チープな一面も凄くハマって楽しいばかり。やや分かり難いのはいつも通りと言った感じだろうか(笑)もしヒース・レジャーが一人で演じ切っていたらもっと傑作扱いされていたかも知れないなと・・・。

また観たいと思う。テリー・ギリアム作品が久しぶりに楽しめたので、他の作品も観たくなった。
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