このレビューはネタバレを含みます
頑固親父とハートウォーミングが同居する不思議な温かさを持った映画。トム・ハンクスがよく似合う。若い頃はコメディ一辺倒だったから余計にこういう役は似合うね。
ルールを厳格に守ろうとする面は誰でももっているけど、老人になって世間と関わりがなくなるとそこがクローズアップされてゆく。自分の普段の生活を乱すものを排除しようとする、わかるなあ。
だから過去の思い出に浸っていたい、変わりすぎた現代にはついていけない、新しいことを覚えるのはイヤ、わかるなあ。
死んでしまいたい気持ちを新しい家族がつなぐ、それが今までの希薄なつながりを濃くしてゆく、何があっても人生が続いてゆくんだなあ。
わたしだってオットーと同じで、いつ死んでもいいと思っている。そこそこ悲しむ人もいるんだろうけど、繋がり、というものをあまり意識しないので結構身に染みた。晩年のオットーは幸せだったと思うけれど、それでも私みたいにずっと寂しかったんだろうか?