◉冒頭10分から良作のニオイがぷんぷんする。
◉孤独で無愛想、オマケに町内で嫌われ者のオットーは、ある出来事をきっかけに隣人たちと交流を深めていく。そんな中、彼の過去と心の葛藤が明らかになり…。
◉第89回アカデミー賞にて外国語映画賞にノミネートされた、スウェーデン発の《ハンネス・ホルム》監督作品『幸せなひとりぼっち』をリメイクした作品。
◉心地よいBGMと、孤独な堅物人間が徐々に心を開いていくという設定の時点で、感動を誘うズルい演出。オリジナルの『幸せなひとりぼっち』は鑑賞済みだったものの、内容を若干忘れていたため新鮮な気持ちで観ることができた。
◉《トム・ハンクス》は安定の好演。御歳67を迎えるだけあって、円熟味のある情緒ある表現はさすがとしか言いようがない。朴訥で不器用な主人公の悩みや葛藤を捉え、見事に表現していた。
◉テーマは人との関わり。たとえ、鬱陶しいと思えるほどでも、人生はやっぱり“人との関わり・繋がり”であると、改めて気付かせてくれるハートウォーミングな作品だった。ただ、事がスムーズに運び過ぎている感は否めず、歌詞入りの劇伴もあざとく感じた…。
(※誰か腐敗した僕の心を浄化して下さい…。)