ドラ映画9作目。ドラ映画屈指のホラー映画。
ドラえもんたちの行動の結果予期せず変わってしまった未来である妖怪が支配する世界を正すために唐時代の中国で牛魔王を倒す西遊記に沿ったストーリーで進行する映画。
全体的にホラー色が強い。ドラえもんたちを除く世界中の人々が妖怪になってしまい、のび太の両親もまた妖怪となるが、顔を写さずに徐々に迫りくるママの脚を描くことでおどろおどろしさを演出していたり、新聞紙ごしにパパに生えている角を影で表現することで日常に溶け込む恐怖を演出している。ドラ映画の中でも珍しい演出で、本作の大きな魅力だと言える。
また、本作は時系列が非常に入り組んでおりわかりづらい。3回にわたって時間旅行を繰り返すことから、別々の時間から同一の時間にやってきたドラえもんたちが混在しているため難しい。なんにせよドラえもんたちは特異点となり妖怪化から逃れている。
「危険があぶない!」の名言を産んだことでも知られる。降参したふりをして銀閣を欺き道具で倒すなどドラ畜生が垣間見える。
デウス・エクス・マキナ的にドラミによって事態が収拾されるため批判されやすい。なんども主題歌が流れる点もくどい。賛否両論あるだろうがシナリオはまずまず面白く、終盤は微妙といった感じだった。