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それでも私は生きていくのayellowbirdのレビュー・感想・評価

それでも私は生きていく(2022年製作の映画)
3.7
レア・セドゥ主演。ミア・ハンセン=ラブ監督が、父の病への悲しみと新たな恋への喜びという相反する感情に直面したシングルマザーの心の機微を、自身の経験を基に描いたヒューマンドラマ!
シングルマザーのサンドラは、通訳の仕事をしながら8歳の娘とパリの小さなアパートで暮らしている。サンドラの父ゲオルグは以前は哲学教師として生徒たちから尊敬されていたが、現在は病気で視力と記憶を失いつつあった。サンドラは母フランソワーズと共に父のもとを頻繁に訪ねては、父の変化を目の当たりにして無力感に苛まれていた。仕事と子育てと介護に追われて自分のことはずっと後回しにしてきた彼女だったが、ある日、旧友クレマンと再会し恋に落ちる…。

自分らしく生きるためのポイントが詰まった作品! 結婚して子供が生まれると、子育ては避けて通れない問題。それが離婚したとなると、それを一人で背負い込まなければならない。そこに親の介護が加わると、一人では手に負えず、親子で負担を分担しつつも、最終的には介護施設のお世話にならざるを得ない。仕事と子育てと介護。これらに忙殺される毎日は、ストレスがどんどん溜まり、心身ともに疲弊していく。だから、サンドラがクレマンと再会し、恋人になれたことは、まさに僥倖で、日々のストレスをグンと減らしてくれることに。また、サンドラにとってのもうひとつの幸運は、娘のリンがクレマンと良好な関係を築いてくれたこと。もし、それがなければ、クレマンとの関係を進展させることは出来なかったに違いない。仕事と子育てと介護。これらに押し潰されないためには、効果的なストレス発散の術を見つけることが不可欠なのだと思った。
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