千里

ゴジラ-1.0の千里のネタバレレビュー・内容・結末

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

「ゴジラ」シリーズ最新作且つ国産ゴジラ7年ぶりの新作にして、ゴジラ70周年記念作品ということでIMAXレーザーGT/テクノロジー2Dにて鑑賞。国産ゴジラシリーズとしての前作「シン・ゴジラ」には及ばないものの、国産ゴジラとしてはかなり頑張っていたと思う。

今までに見たことない視点からのゴジラ(追ってくるゴジラの顔を船から見た視点)を見た時の恐ろしさが凄まじかったし、ゴジラが街を襲う描写は初代のオマージュ(襲うビル群やビルの上でのラジオの実況)をしつつもそれを最新の技術で描くだけにこちらも恐ろしさが凄い。この点だけでもIMAXレーザーGT/テクノロジーで観る価値がある。ゾイドのジェノザウラーを思い出させる背鰭が可動しつつの放射熱線の威力の凄まじさも恐ろしいが、直接喰らわなくてもその衝撃波も凄まじく、それだけであれ程の被害が出ることも恐ろしかった。

時代考証に関しては戦時中から戦後すぐ辺りまでの時代が舞台なのだけど、日常描写が少し現代っぽく見えてしまうところ(苦しい状況のはずなのに思ったより苦しい生活でもなさそうというか)があって、実際にその時代を知っているわけではないけどリアリティラインはちょっと気になってしまったかも。

物語展開も今後の展開を予想させるような描写(脱出装置が付いてなかった発言からの明らかに脱出装置の話してるんだろうなと思われる描写や、典子が生きていることを知らせるであろう電報の描写など)が多く、予想し易かったこと等、ちょっと勿体無いと思ってしまった箇所がいくつか。

「ゴジラが現れてしまってどうするのか」という物語構造も国産ゴジラでは直近で「シン・ゴジラ」をやってしまっているし、どんな生物でどうしたら倒せるのか、という研究時間や作戦立案シーンにしてもそれぞれ「シン・ゴジラ」の方が上手かったし新鮮味もちょっと薄かったなと思いながら観てしまったり。なので、直近で「シン・ゴジラ」をやっていなければもう少し評価高かったかもしれないなと。

色々気になるところも言ったけど、分かっていても橘が恨んでるはずの敷島に対して脱出装置を作成して"生きろ"と言うシーンや、典子との再会シーンは涙腺にきたので、人間ドラマとしても十分面白い作品だったと思う。キャッチコピーにもなっている「生きて抗え」がそのままテーマになっていたのも良い。被爆してしまっているラストの典子の描写なんかもあれど、どんな苦境だとしても"生きろ"と強く言ってくれる心強さのようなものが感じられる良作だった。上映後に劇場で拍手が起きたのも印象的。

ちなみに鑑賞後に新作短編の「ゴジラvsメガロ」を鑑賞する為にゴジラフェスに直行して司会者の話を聞いたが、「ゴジラ-1.0」は70周年記念作ではあるものの実際に70周年なのは来年(言われてみれば54年が初代な訳だからそうなのだけど)とのこと。「ゴジラvsメガロ」は最新技術のメガロのかっこよさと、ゴジラに関しても凄いものが見れてとても良かった。


2023.11.10 2回目もIMAXレーザーGT/テクノロジー2Dにて。スコア3.9→4.0へ。

面白さは1回目とそこまで変わったわけじゃないけど、細かく見ることが出来たので1回目より満足度は高め。ラストの典子は被爆かと思ってたけど、黒いものが動いていたのでゴジラ細胞に侵されているという見解でいいのかな。どちらにしてもゴジラ細胞に侵されたら被爆もしそうだけど...
千里

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