千年女優

ゴジラ-1.0の千年女優のレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
2.5
太平洋戦争の末期。故障を偽って大戸島に着陸した特攻隊員で、島を襲った巨大生物「コジラ」を前に引き金を引けず小隊全滅を目の当たりにした敷島浩一。焼け野原になった東京で孤児の赤子を連れた典子と出会って生活を始めた彼が、復興が進む中で再び現れて上陸したゴジラを前に仲間たちと決死の作戦へと臨む様を描いた怪獣映画です。

1954年の『ゴジラ』公開を記念する70周年企画として記念碑と同じ11月3日に公開された、実写日本映画では庵野秀明の『シンゴジラ』以来7年ぶりとなる30作目で、作風には賛否両論がありながらも着実に大作邦画をヒットさせる白組所属のVFX制作者であり監督の山崎貴がファーストゴジラよりも前の年代を舞台にした-1.0の物語を描きます。

良くも悪くも「山崎貴のゴジラ」以上の上積みはなく、日本では屈指の技術を持つ白組が「怪獣」としての迫力を演出する一方、射撃の得意な臆病者という「のび太」設定の主人公が『永遠の0』するユアストーリーに合わせたがためにその存在も含めたカルさの目に付く出来で、せっかくの-1.0コンセプトも不発な三丁目スケールの一作です。
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