めんま

ゴジラ-1.0のめんまのレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
4.8
完成度が高い素晴らしい作品です。第一作への原点回帰を感じる作品とも言えます。

第一作の時代(終戦から数年後)と比較すると、背景となる時代は第二次世界大戦終戦中〜終戦直後であるため数年の差異はあれど、"戦後の動乱を描き、核実験を行った人間の愚かさを描く"という観点では共通しています。

作品描写に関して、著名な専門家による描写の考証が入っている点も大きなポイントです。つまり、登場人物や彼らのセリフ、零戦等細部までこだわっているから自然と入り込んでしまうのだと考えます。
戦争史に関心がある方はなおのこと、一層楽しめる作品とも言えます(戦争史への関心がなくとも十分に楽しめますが、あったほうがより好まれるのではないでしょうか。)
また、政治的批判も見事です。
本作品ではその点も踏襲されており、観客から政府への不安不満をすかっとさせてくれる一面も素晴らしい。

人間ドラマとしても思わず涙腺を刺激されました。

年齢層はお子様向きかと言うと、大人がより楽しめそうかと思います。

余談ですが、もし映画の時代考察も参考にされたい方は、神立尚紀氏のインターネット上の記事をぜひご覧ください(無料で登録作業等もありません。"神立尚紀 ゴジラ"で検索すると当該記事が出てきます。)
特段時代背景に詳しくない方でも鑑賞前でも鑑賞後でもいいと思います。私は鑑賞前に見ました。
若干のネタバレ要素はあるので完全ネタバレなし希望の方には向きませんが、あらすじではないので私は鑑賞前に見られて良かったと感じています。
めんま

めんま