MM65

ゴジラ-1.0のMM65のネタバレレビュー・内容・結末

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

たしかにハリウッド大作と並んでも不自然ではないレベルのVFXでびっくりした。
VFX全然詳しくないけど、すごい映像とエフェクトてんこもり!というよりもシンプルで、現実に怪獣がマジで来たらこうなるだろうな、とリアルだったと思う。ゴジラの迫力を過度に演出するんじゃなくて、「あ、これ会ったら死ぬな」みたいなリアルな恐怖を感じた。

あとから一緒に見た人に言われて気づいたけど、冒頭でゴジラが明確に人を頭から食べて投げ捨てるというシーンが、今までのゴジラだと見たことがなくて、だから明確に「怖ッ」と思ったのだと気づいた。(今までのゴジラって人間にほとんど興味はなくて、とにかく全てを踏み潰していくイメージだったので、明確に人間を殺そうとしてるんだ、というのが冒頭のシーンで伝わって怖かった)


ストーリーも盛り込みすぎず無理がなかったと思う。
一方で海外でウケたのは、第二次世界大戦を下地にはしていても、敵はあくまでゴジラであって米国ではないのも心理的観やすさのポイントだったのかもなと思う。
オッペンハイマーがアカデミー賞を総なめしているのは、まだ予告編しか観ていないものの、キリアンマーフィーの受賞スピーチからも垣間見えるように、やはり「我々のあの爆弾が戦争を終わらせたのだ」という原爆肯定感がアメリカの大衆にうっすらあるからであろうな、というのは想像に難くない。

戦争の悲惨さを訴え、米国を悪者扱いする映画よりも、敗北国の日本の民間人が逆境の中で怪獣を倒す方が、まぁ彼らにとっても美談(あるいはエンタメ)として受け入れやすいのだろうな。

オッペンハイマーはまだ観ていないから推察でしかないけど、アンサー映画をぜひいつか撮ってほしい。
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