マグルの血

ゴジラ-1.0のマグルの血のレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
3.5
戦後まもなく、復興の兆しが見え始めた日本をゴジラがもう一回破壊する話。

なんて残酷なあらすじ。話題作鑑賞しました。ゴジラシリーズに関しては幼少にちょっと観た程度。知識は極々最低限といったところ。特撮ファンではないです。

物語は太平洋戦争終戦間もない日本に、巨大な怪物通称「ゴジラ」がやってくるという話。
ほとんどが焼け野はらとなった東京。主人公敷島は元特攻隊員。瓦礫の山、家族は皆空襲で死んでしまい途方にくれる中偶然出会った子連れの典子と共に生活することになる。
少しずつ復興する東京に突如として天災の如く現れた謎の怪獣ゴジラによって再び東京が焦土と化す。

GHQ統治下における日本は武装解除しているうえに、ソ連とアメリカの関係性から軍事支援ができないから自分でなんとかしてねという無茶振り。
その無茶振りに立ち上がったのは旧日本兵だった皆様で、結構無茶な作戦で戦うわけです。

私のイメージするゴジラのフォーマットはこんな感じでしたね。詳しくないので確証はないですが、おそらく従来のゴジラ作品のオマージュ、リスペクトがかなり強い作品なのだろうと思います。
平成ゴジラのように明確な悪者が出てきたりするわけじゃないけど、突如大災害の如くゴジラが現れ、日本を蹂躙し人々を絶望させる。直接的なグロ描写は控えていますが、それでもパニックにな逃げ惑う人々の描写はなかなかくるものがあります。

ストーリーの軸に戦争を用いたのもまたグッド。都合よく進む物語の展開に若干エンターテイメントを感じますが、ストーリーの重厚さが増しているので好きな人は多いんじゃないかなと。

主演の神木隆之介の演技が頭一つ抜けてたのが非常に印象的でした。めちゃめちゃ良かった。

個人的には、大味なストーリーの進み方にナチュラルさがどうしても感じられず、違和感の壁みたいなものが超えきれなかったことからフェイバリットな作品には至らなかったです。インデペンデンス·デイ的な感じ。
しかし、日本人が制作したディザスタームービーとして、海外で一定の評価を得ている点は凄いと思うし、単純に迫力ある映像に圧倒されました。映像表現において遅れをとっている印象がありましたが、ここまで肉薄する時代がくるとは。それは素直に驚きです。

従来のゴジラシリーズファンや特撮ファンはどう見ているんでしょうか。レビューや考察を散見する限り、好意的に受け入れられている印象。
とりあえずここ最近の邦画では観て損がない強い作品だと思いました。

2024年 46本目
マグルの血

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