ざっきー

怪物のざっきーのレビュー・感想・評価

怪物(2023年製作の映画)
4.5
前評判通り、凄まじい出来の映画だった。
登場人物は全員人間で、全員怪物です。
見方や視点を変えれば、善人に見えるあの人だって怪物。怪物に見えるあの人だって普通の人間。

個人的には安藤サクラが演じていた母親が結構怪物だな〜と。無意識に、悪気なく発された言葉が、実はグサグサ心に刺さって、呪いのように頭から離れなくて、っていうのは、すごくよくわかる。自分もかつてそうだったから。幼少期の頃を少し思い出して、胸がキュッとなった。自分にも星川くん(あるいは湊)のような存在がいたら、どう生きたんだろうなって。

あとなんとなくだけど、要所要所で、青葉のキラキラした感じとか、風景の撮り方が「君の名前で僕を呼んで」っぽく見えるところがあって(そういえば音楽も坂本龍一で一緒じゃん!!ってなって)、そういうところも自分好みだった。ラストシーンもすごく良かった。

瑛太の怪演や、田中裕子の存在感もあって、全体的に引き締まった作品になってるんだけど、肝心の子役2人がもう!すごいのなんのって!
演技も申し分ないんだけど、顔が良いね。湊くん役の子はとんでもないイケメンに成長していくんじゃないかな。吸い込まれそうな瞳。

たぶんこれ、カンヌだけじゃなく日本アカデミー賞でも評価されまくると思うんだけど、こういう意義深い作品が、どういう形であれ、大いに評価され、多くの人の目に止まるのは良いことだと思う。
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