えりす

怪物のえりすのネタバレレビュー・内容・結末

怪物(2023年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

見に行きたい映画があるんだけど と誘いをいただき鑑賞。なんの前提知識なく飛び込みましたが、なんとなく映画「誰も知らない」を彷彿とさせる感じがしていて、なんか共通項かんじるな〜と思っていたら、まさかの監督が同じという。是枝監督。もう覚えましたよ。

いや!子供の無邪気さ怖すぎるよ!確かにお前らは怪物だ!!どれだけ大人たちが苦労していたか、子供たちはなにも知らないという恐ろしさ。。

一周目。麦野母サイドからの視点。
もう胸糞。最悪。ホリ先生のあの反省のなさといい、教職員の対応といい、校長といい、全部、最悪。学校ってダメだな〜!と感じつつ、麦野君に不安を感じ続ける。怪物だーれだと叫びながらのトンネルは狂気を感じた。え?怪物?!なに?!ドキドキヒヤヒヤ。
え?!!車から飛び降りた?!!もう、、いつどんな時も目を離せないじゃない、、、死んだ?!!死んでない、。。え!!?今度こそ?!!!!!、、、、

2周目。ホリ先生サイドからの視点。そもそも、あ、なるほど回想的なぐるぐる展開なのねとここで理解。
冒頭の方は「クソホリ先生の私生活なんて💢💢素性明らかになんのか💢💢💢」と腹を立てながら見ていたが、実際よくわからないかわいい彼女(高畑充希の演技が最高だった)と、ホリ先生のサイコぽい笑顔で、「やっぱりこいつは💢💢」みたいな確証バイアスに心を支配されていた。
しかしガールズバーにはいなかったぽいし?あれ?という心深くの疑問を抱えながら見進める。
あれ?生徒に優しくない?サイコ…?いつ本性を出してくるんだ…?
え、えっ?あ、、そういう感じだった…ごめんなさい…ごめん…待って可哀想すぎるよ…
2周目でも学校ってダメだな…という気持ちにさせられ、なぜか罪悪感も抱かせられ、「こ、是枝監督ぅ泣」みたいな気持ちに。

3周目。子供たちサイドからの視点。
詳細な描写をしようとすると驚き慄きポイントがたくさんあるので割愛。。あっあれも、これも、全部回収されるじゃん…という気持ちになると同時に、
え、子供、大人たちの大変さ(当たり前だけど)わからんすぎ泣 無邪気すぎて怖いよ泣 という気持ちに。怪物誰だって…ゲームかよ…
麦野君とよりくんの無邪気さにフォーカスすれば、この物語の恐ろしさを忘れられた気がしたけれども。最後のシーンの白く飛ぶような明るさは明るすぎて逆に恐ろしかったよ。本当に生き延びたんですか?

そういえば、この二人の恋愛かもしれない感。昨今の映画はそう言った方向性の脚本を書いときゃいいだろ感満載のものもあるが、今回は割と自然だった気がする。
「引っ越すんだよね」のあとの麦野君の「さみしいよ…!!!!」でグッとドキッとした。このままキスしてしまうんじゃないかと思ってしまったのは私が「大人」(になってしまった)だからか。
うん全体的に子役の力量がすごすぎるよ。3周目のエグさが出ているのは子役の無邪気さを「演じる」凄さがあるから。
私たちが大人になってしまった今、無邪気に子供が発する表現を、自分の都合のいいように解釈しなおしてしまっていること自体がエグかった。
「麦野が、猫を殺したって、証言してくれないか???」
「え、、私、、そんなこと言ってない…」
の後の戦慄感。などなど。
これについては、私の解釈的には
女子生徒は「麦野君が猫と遊んでいるのを見た」と発言しただけであり、無邪気な子供は他意を含んでいない。
しかし大人のホリは「つまりいじめっ子の麦野が猫と遊んだということは、つまりはその後に殺したんだろう」と早とちり&確証バイアス的思考で、結論づけてしまった。ああ、大人の凝り固まった思考よ。と解釈しています。。

そう考えると2周目の「ホリ先生のサイコ感」を感じた私は、「勝手に感じていた」だけでは?と改めて感じさせられる。是枝監督ぅ…

あと、一緒に見た人と話したのは、是枝監督の子役選びに関する好み笑
主役の子の目が、雰囲気が、柳楽さんの幼い頃と似ていると感じたのは私だけか。?ジャニーさん的なね😅

ほぼ全て回収されたんじゃないかと思うような脱帽脚本でしたが、唯一?わからないと感じるのは、二人がなぜ堀先生をターゲットにしたのか?
もうレビューも長くなってきてしまったので、これ以降は他の方のを読んで消化していくとして…
えりす

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