何度でも観て反芻したり、
違う角度から眺めてみたくなる
the 是枝作品。
敢えて、観衆に解釈を委ねる感じのラストとかよく練られていて余韻を残す。
多面性に気付けない発言の暴力性だとか、
仕事上ずっと考え続けてきたテーマが満載の作品でした。
多様性とパラレルワールド。
これをずっと抱えて生きてきた自分にとって
答え合わせ的作品な気もした。
全ての人は分かり合えなさを携えて
生きていて。
その全てを他人とはシェアしきれないから
こそ感じる不甲斐なさとかやるせなさとか切なさとか、そんなものを監督も抱えてきたであろうことが自然と伝わってきた。
作り手としての葛藤にも
強い共感を憶える映画だった。
特に大衆向けにアプローチする際の
どこかを切り捨てなければ伝わりもしない
本質を欠いたメディアとかSNSとか、
そういうものにも付き合わなければ
商業映画は作れないわけで。
ここら辺に嫌気がさす理由が
この作品に詰まっている感もあった。
只々、おつかれさまと言いたくなった。
ここと向き合い続けてきた是枝監督に拍手。
分野違えど、私もこうでありたい。
