このレビューはネタバレを含みます
折角ならIMAXで！とIMAX鑑賞したのは
大正解だった。
既視感あるアニメ画と共に
耳福な声優の声やサラウンド音声で堪能。
さて。。どこから語ろうか。
この作品「わからない」「難解」
みたいなレビューが多めで少し心配してたが
至ってテーマはシンプルで、
むしろそれが一貫して宮崎駿の創作魂だったことを窺える展開になっていた。
公開前の宣伝なしである事も
「今」を公開タイミングとして選んだ事も
必然感と天晴れ感すらあり、
創るを生業にしてきた人の凄みが
観終えたあと、どわっと襲ってきて
涙が頬をつたった。
是非観てない方は前知識なしで
堪能下さいませ。
〜〜〜ここよりネタバレ含む〜〜〜
「穢れた世の中をひっくり返したいよね」
宮崎駿と共鳴するかのように
私の中に降ってきた言葉は上述の言葉。
善と悪。平和と戦争。愛と憎。自然と人工。
彼なりの真っ当な作品達および死への
向き合い方が滲んでいて、とても尊かった。
人生における「最高峰」に挑む製作というのは、斯くも人生そのものを色濃く映し出すのだなと背中を見せて頂いた気持ちになり。
「自分の人生であれば、
一体何をその最高峰として
差し出したいと思うのか。
後世に遺したいと思うのか。」
自ずと考えさせられた。
そんな容易く解が出る問いではないが、
それでも私の中で、
この問いは鮮明に心に刻まれた。
彼自身がここに尋常じゃなく
向き合ってこられたことがよく分かった。
紀里谷監督の『世界の終わりから』にも
どこか通ずる感じがした。
現代を生きる映画監督のある種、
代表的テーマ設定とも思えてくるのは
過渡期の時代ゆえか。
これが届けられたら悔いなく逝ける。
そんな美しき納得感すら、垣間見える。
メタファー的に映り込むあれこれも
とても練られていたから噛みごたえがある。
息子が大きくなってから、
一緒に観たりできたらいいなぁ。
母が何を願い目指し生きてきたか、
つらつらと語りながら。
その頃には少しマシになった世の中を
未来へのバトンとして仕込みつつ。
そんな日を目指したら
楽しくチャレンジ出来そうだ。
