犬のケツ

怪物の犬のケツのネタバレレビュー・内容・結末

怪物(2023年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

・芥川龍之介の「藪の中」のように、様々な登場人物の視点から物語が進んでいく。物語の始めに起きた「理不尽な出来事」について、少しずつ各人の事情が明らかになり、何が起きていたのか、どうしてこうなったのかが判明していく。
・……というのが最初の時点でなんとなく予想できるように作られていた。母親視点の段階でなんとなく「過干渉」の伏線が貼られている。年頃の息子の風呂を遠慮なく覗いたり、「入るな」と書かれた自室のプレートを無視したり。これは母親が100%正しいわけではないなと感じながら見ていた。それでも、母親に感情移入し学校や教師の態度に腹が立つような作りになっていた。すごい。
・先生視点になって色々な疑問が解消されたが、「それはそれとしてこいつ飴舐めたんだよな」「その理由は語られてないな」と気になってしまった。彼女がくれた飴なのはわかったけど、それにしてもあのタイミングで舐めるのはちょっと。
・「怪物だれだ」のキャッチコピーが印象的だったので、ずっとその視点で映画を見ていた。観る人によってその答えは変わるのかもしれないけど、私は主要人物の中に怪物はいないのではないかと感じた。全ての人に通じる「普通」がないように、全ての人に通ずる「悪」はないのかも。キャッチコピーがなければこの視点で観ることはなかったろうなと思うので、タイトル含めてうまい。
犬のケツ

犬のケツ