Violet

怪物のVioletのネタバレレビュー・内容・結末

怪物(2023年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

映画館で見れて良かったー!
まずキャストが素晴らしくて、
早織(安藤サクラ)が学校側に怒るシーンや
保利(永山瑛太)が「お前間違ってないよ!ごめんなー!」って叫ぶシーンは釘付け。
子役のふたりの純粋な表情がぐっときた。

ものごとの真実は、ひとつじゃない。
ひとつの視点から見ていては
ものごとの本質はつかめない。

これは是枝監督作品の『真実』等でも伝えられていたメッセージ。頭ではわかっていても、なかなか多角的に物事を見られないものなんだよね。

あと映像やカメラワークもとても素敵だった。
映画が撮影された場所はどこなのかなと思って調べたら、長野県諏訪地方とのこと。綺麗なところだなあ。
使われなくなった電車の中に子どもたちがいないか確かめるため、早織と保利が夜の雨の中必死になって外から車窓を擦るシーンでは、車内から見た雨粒や2人の手が、まっくらな車窓に降り注ぐ星屑や光の虹のように見えて、子供たちを必死になって探す大人たちの愛をとても美しいものとして表現しているのかなと思った。
ラストシーンの光に包まれた緑の中をふたりの子どもたちが駆けるシーン…あれは神々しささえあった。

脚本が坂本裕二なだけあって、台詞は少し小説チックだったけど、綺麗な言葉がたくさんあったと思う。

わたしは是枝監督を日本一子どもを輝かせる監督だと思っています。子どもたちが魅力的なのはもちろんだけど、こんなにも自然体な子どもたちを魅せてくれるのは是枝監督だけだと思う。
Violet

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